ブリキの太鼓


相方のヒラノユーに
「『ブリキの太鼓』っちゅう映画が今やってて、シザーハンズより面白いで!
 今週いっぱいまでミニシアターのジャック&ベティでやってるんや。
 『地獄の黙示録』とカンヌのパルムドールをダブル受賞したんやで。 」
という話を聞いて
「『シザーハンズ』より面白いやて!?そりゃ見とかなあかんがな!」
と早起きして勇んで見に行ったら、、、

ま、まさかのイマイチ、、!!(笑) びっくりしたあ。
今年見た中で一番退屈だった。(笑)
しかも3時間近くの長編で、シネコンの座り心地の良い座席に慣れすぎたせいか
始まって数十分でケツが痛くなる始末。
挙句の果てに、オープニング始まってから入ってきて
自由席で周りも座席全然空いてるのに急に俺の真横に座りやがったババア。
しかも風邪引いてんだか息急ききってきたんだか鼻をすすり
せっかくのオープニングから集中を削がれて台無し。
ああいうのは本当にやめてほしいわい。時間前には座っとけ。


そして映画の方はというと、

『ブリキの太鼓』
フォルカー・シュレンドルフ監督 1979年作品
カンヌ映画祭 グランプリ パルム・ドール受賞
アカデミー賞 外国語映画賞受賞

久々(数年前に相方と見に行ったPHEWのライブ&上映会以来だな)
の伊勢佐木町のジャック&ベティにて。
朝10:00~12:45。 1200円。学校の講堂みたいで良い感じの映画館。

お客は平日午前で1979年の作品ということもあり高齢の
方々が2~30人といったところか。


もちろん予備知識ゼロで見に行った。
映画通も認めるであろう由緒正しい映画。

らしいが、、まず、長い。
そして、なんか本筋が曖昧なんだ。
どのエピソードをメインに見ればいいのやら。
すべてがラストに向かって絡まりあってカタルシスを迎えるのかと思ったらそうでもなし。
まず3歳の時、成長を自分で止められるってものも正直意味わからんし、(異能者でいいの?)
それはいいとしても肝心の超能力が何か見せ場で出てくるのかと思いきやそうでもなし。
ただの歴史の傍観者的ドキュメント風にはなっているけど
歴史ドキュメントとして見れるかというとそうでもないし。
戦争の悲惨さや不条理を描ききるわけでもなし。
ナチスのアホさが前面に出てくるでもなし、ポーランド人ら迫害側の体験が胸をうつってほどでもなし。
寓話的かというと俺にはそれを読み解く深い歴史的知識を持ち合わせていないし。
不思議に見える母一人と父二人との同居という三角関係にも焦点をあてるでもなし。
宗教的かと思うとそうでもなし。
ましてや頻出するエロシーンが物凄いってほどでもないし。
グロテスクさもほとんど感じなかったし。
そもそもこれ、主人公が小人のままって設定は絶対必要なのかな。


正直俺好みの映像美でグッとくるところはあまりなかったが
畑の映像とか海辺での空と雲の映像は良かったな。
あと主人公の子役の演技はかなりのもんだった。
小人のサーカス団の団長も良かったな。



たぶん俺もっとアホっぽいのが好きなんだな
それとも期待しすぎたのが良くなかったのか?(笑)
それか俺の嫌いなブンガクってやつだからかもしれん。
俺は文学がたぶん嫌いなんだ。
人の心の機微の丁寧な描写とかみみっちくて眠くなってくるぜ。
もっとパワフルに世界や考え方がひっくり返るようなのが好きなんだ、たぶん。

以上のことから、どうやら俺は映画通にはなれなさそうだ。(笑)

あと無修正がネットであふれる現代日本で
今さらモザイクもいらないだろ? 日本映画業界よ。がんばれ。



で、こんだけ長々書いといて
10年後に見たらすげぇ絶賛してたりして。(笑)
そしたら平ちゃんごめんなさい。


あ、あとチケット買うとき
クリスマスのキャンディくれたから
ジャック&ベティはいい映画館です。

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