水木しげる出征前手記

私が水木しげる狂であるのは周知の事実であるが、
今回はコレ。

『新潮 2015年8月号』 (新潮社)

将来は画家になろうと考えていたのであろう
若き水木しげるの20歳の時につづられた貴重な手記。
水木しげるの書簡を家族が整理する中で今年の5月に発見されたとのこと。

戦争に突入し、時代が死を強要する中で
己の魂の居場所を求めて不安に駆られ宗教や哲学に救いを求め
しかし逡巡し鼓舞し芸術を掴もうとする様がストレートに記されている。

今ではそのトボケたユーモアで人を煙に巻くのもお手の物の大先生。
しかし、その持ち前のユーモアで隠された奥にあったのはやはり
哲学すら包み込もうとする芸術への真摯な想いだった。

芸術家だ。
そして信念の人だ。


水木しげる好き必読の書。
そして先生の長寿を願ってやまない。

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