石井竜也『イノセント』

友達もなく一人でいることが好きな内向的な少年時代
昔からずっと本当にやりたいことは「絵描き」であること
カールスモーキー石井を演じることへの葛藤
音楽の良さに初めから気付いていたわけじゃなかったこと
映画を作った際に負ってしまった億を超える負債
それも原因となって訪れた米米CLUBの解散

、、、などなど


面白くて一気に読んでしまった

2009年、米米CLUB再結成後
50歳を前にして出された自伝
石井竜也『イノセント』(扶桑社)

米米はたぶん俺よりちょっと上の世代(バブル世代か)がドンピシャなんだろうけど
兄が聴いていた影響でよく聴いたし
(後期の「ア・ブラ・カダ・ブラ 」とから辺がリアルタイムだったな。中学の頃だ)
その後も折に触れて思い出したように聴くことがあった
あ、そうそう、初めて買ったCDの1つが「浪漫飛行」の8cmシングルだったしな(笑)


本を読んでいると
初期米米の頃はやっぱりデヴィッド・バーンとかアート・オブ・ノイズとかが好きだったようで
ワイルドなアメリカンロックみたいなのは大嫌いで、ヨーロッパの知性や繊細さを感じさせるものが
好きだったみたい
米米初期は音像もメロディもニューウェーブな、不思議さや浮遊感があって好きだったし
演奏技術のレベルアップのせいか段々、打ち込みっぽさに頼らない生バンド感のあるファンクやビッグバンド的なサウンドになっていったのは自然な流れだったんだろうけれど
(それはそれで好きだけど)


「絵を描く人」だっていうのは知っていたし
ステージのデザインもやっていたらしいのも知っていたから
「その辺の"音楽"と"絵"のバランスはどうやってたんだろう?」
っていう興味から読んでみたけど面白かったな

あと、同じ「友達少なくてOKの一人でいるの苦にならない」タイプとしても共感して読めた(笑)
俺よりもずっともっと遥かに内向的な少年だったけど(笑)

そして、
この人はちゃんとパンクの精神をわかってたんだな
パンク的表現という自覚があって初期米米をやってたんだ
とわかってうれしかったしさらに好きになってしまった

まあ、作品の生み出し方といい、
ほんとに「アーティスト」と呼ぶのがふさわしい人だな


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