吉村昭 『漂流』






















読んだ!



凄かった!



面白い!




吉村昭 1975年執筆の『漂流』

私が読む吉村作品3冊目
買ってからしばらく経ってしまいましたが
ここでようやく読むことができた

やはり予想に違わぬ素晴らしい作品であった!

夜遅くなったから中断しちゃったけど
正味1日でイッキに読んでしまった
読み出すとそれぐらい引き込まれる



江戸時代に実際にあった漂流譚をもとに
吉村昭のイマジネーションが爆発する名作

ストーリーを書いてネタバレしてもつまらないので
ここでは多くを語りませんが、、



時代は江戸の天明(1785)の頃

当時は幕府の鎖国政策により、外洋に出て行けるような近代的な船ではなく
風を受けて沿岸を走るような木造の"帆船"がもっぱら、という船事情だった

風頼みであれば当然、海が時化て大荒れとなれば、もてあそばれるだけもてあそばれて
運よく助かったとしても、無残に破壊された船は舵も利かず、風や潮に流れていくだけの"漂船"となる

主人公である、土佐の船乗りである長平もまさにそんな悲運に見舞われるところから
壮絶な(それはそれは壮絶な!)物語が幕を開ける

そして読者は、吉村昭の筆致によりその前代未聞の出来事を体験するのだ!























もちろん実話をもとにしている本作

"記録文学"と言われるほど
緻密で綿密な取材と文献漁りを通して構築される吉村昭の作品

でも別の人が同じ量の取材をしたところで
こんな素晴らしい作品を書けるだろうか?
いや、書けないであろう

そこには多分に、吉村氏の持つイマジネーションが必要不可欠だからだ
(だって本当にその現場で見ているかのような描写力なんだもの
 そう考えると、どっちかと言うとドキュメンタリー系作品が好きな私が
 吉村作品にハマるのも自然な流れなのであろう)



それにしても吉村昭は、絶対女の人は好まなそうな作家だよな(笑)
間違いなく男(おっさん)が好む作家だ

ああ、しばらくしたら
また他の作品にも手を伸ばしてしまうであろう!(笑)

しかも作品はまだまだ沢山ある!
次は何を読もうか?



(しかし長平が実話であるならば、彼が残した痕跡があったりしないのかな?
 ネットで調べてもそんな話は無さそうだけど、もし残ってたとしたらメチャクチャ浪漫があるなぁ)

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