伊藤かよこ『痛みの迷路を抜け出したい!』

伊藤かよこ著
『痛みの迷路を抜け出したい!』
青春出版社
数年前までの私の"腰痛悩み逡巡"時代に出会って
"痛みと向き合うバイブル"的な1冊にもなった
伊藤かよこさんの2016年の著作『人生を変える幸せの腰痛学校』
(詳しくは当ブログ2018/11/7の記事を参照)
腰痛本としては
2020年に出た共著
『「腰が痛い」と思ったらとにかく読む本』(当ブログ2022/5/10の記事で紹介)
を挟んでの最新作(にして、ご本人的には最後の本になるであろうという、集大成的な1冊)
お陰様で、腰痛や痛みに対する知識や認知も変わり
もう腰痛であれこれ悩むような毎日ではなくなったんだけれど
腰痛本としてもベストセラーになっている『人生を変える幸せの腰痛学校』の
続編にあたる作品ということで、その後のさらなる情報のアップデート具合を知りたくて
ガッツリ予約して、11/22購入ゲット!
、、、
先日早速読了いたしまして
より深い"この世界との接し方・向き合い方"の断片
を垣間見た
、、感じ!(笑)
平易な文章でスラスラ読みやすい本ながら
書いてある内容は後半に行くにしたがって
かなり"人生の極意"的な話になり
2度3度、(いや、もっとかな?)反芻するように読まないと
頭ではわかっていても、その真意を完全に理解するのは難しい本かもしれない
いや、
真意を理解した上であっても
なおかつ、それを自分のものとして修め、実感するのも
さらに難易度が高そう
"腰痛"を入口にした、"認知行動療法"小説というジャンル(?)を開拓した
『人生を変える幸せの腰痛学校』から、さらに一歩(いや、もっと?)踏み込んだ世界を描いている
"慢性痛"を主題としているこの本ではあるが
(慢性痛の他には"急性痛"がある)
そもそも"痛み"には実体がなく
科学的に見てもかなり捉えどころがないものらしい
(脳科学的には"クオリア"という概念を用いたりするらしい)
(これは私の考えだけれど)
"痛み"が何たるか?って
"痛み"を"かゆみ"に置き換えるとより身近で分かりやすくなるかもしれないな
例えば
"腕の皮膚がかゆい"
とすると
"かゆい"のはまぎれもない事実
ただ、
その"かゆい"という感覚の実体はどこにあるか?
というと途端に話は難しくなる
AI的な回答だと
「かゆみとは、皮膚の表面が外からの刺激やアレルギー反応によって引き起こされる不快感で、
皮膚の神経線維が刺激を受け取ると、その情報が脳に伝わり、かゆみとして認識される。」
みたいなことなんだろうけれど
"情報"ってなんだろう?
それには実体が伴っているんだろうか?
そこでは何か具体的な物質、物理的・生理的な変化が起きているんだろうか?
なんて考えだすとよく分からない(笑)
素人考えで、"クオリア"という概念を絡めて話すと
私はなんとなく、"シャボン玉"みたいなものをイメージする
腕の"かゆい"場所を掻く
→ 皮膚の神経を伝って"かゆさ"の情報が脳へ行く
→ 脳の中で ポワッ♪ポワッ♪ と"かゆみ"のシャボン玉が生まれる
→ そのひとつひとつを"かゆみ"として受け取り、体感して、感じる
そんなイメージ?
ようするに脳の中での感覚的な"現象"ってことかな?
だから腕の"かゆい"場所を掻けば掻くほど
脳内でシャボン玉がポンポン生まれ、"かゆさ"が増していく
痛みもまさにこれと似たようなもので
"痛み"に気持ちをフォーカスすればするほど
ますます痛みを感じる回路が強化されていってしまう
、、、とこんなイメージではなかろうか?
だからこそ、
幼少期に体験した、あの
「痛いの痛いの飛んでいけ~♪」
が、実は科学的に見ても的を射た"痛み"対処法じゃないか? というのも頷ける話
、、、
ちょっと話がややこしくなってきて
自分で書いててもとりとめが無くなってきたけど(笑)
こうした話は、"痛み"だけじゃなく
一人一人の"世界の捉え方"にも繋がってくるようだ
つまり、全員が同じ世界を見ているつもりであっても
実はそんなことはなくて
例えば、
"色"にしたって
脳科学的には
どうやら"本来は色のない世界"を見ていて
脳内で"着色"しているようなものらしい
つまり一人一人の感覚によって
色も違えば、感じ方も違う、という具合で
"それぞれの世界"を見ているのだ
つまり世界には実体としての"色"はなく
それぞれ各々が"そう見ている"という世界が広がっている
唯脳論とは言わないまでも
誰しもが、目の前にある世界を
脳をはじめ、五感を使って、自らのものとして再構築していると言ってもいいのかもしれない
(ちょっと乱暴な解釈なので
もっと丁寧な思考が必要だけれど)
この話が敷衍されると
原始仏教=お釈迦様
の"般若心経"
例の、「色即是空 空即是色」の話に繋がってくる
"この世に存在するすべてものには実体がなく、
実体がない(常に移り変わってゆく)ものこそが存在である"
的な
そして、その道こそが "悟り" に直結している
変な修行の話とは無縁だけれど
限りなくそんな"悟り"に近いことを説いている
そういう本だと思う
"悟り"とは
つきつめれば
"穏やかでリラックスした、恐れや不安のない"状態
宗教的な神を持たない、多くの現代人(特に日本人は)が
神にすがることなく、そんな"安らかな人生"を送るための
ヒントが書かれた、様々な示唆に富んだ本だと思う
凡俗なスピリチュアルとはまた違う視点で
人生や死生観をワンステージ上げる
次なるワンステップへ踏み出す
そんな扉だったり、入口となる本
もちろん
"情報" "知識" と "実感" "実体験" はまた別物だったりするので
あとは読んだ人次第ではあるけれども
たとえその"悟り"の境地に到達できなくとも
まずは頭の引き出しに"知識"として入れておくだけでも
かなり有意義であろう
、、、
といった感じで、ダラダラと徒然に書いてしまったが
肩の力を抜いて読む分にも
とても読みやすい本なのでおすすめです♪
そして、読み込むほどに深みも出そう
- - -
とは言え、"悟り"の境地
ただ、俺はライブをやっていたから
その感覚がちょっと何となくわかるんだ
音の中に身を預けた時に立ち現れるような"無我の境地"
そんな瞬間を何度も味わったことがあるから
_%E4%B8%AD%E6%9D%91%E5%A6%99%E5%AD%90(%E8%A8%B3)_IMG_20250606_155425c.jpg)









Comments