宮沢賢治『注文の多い料理店』






実家から借りてきて読んでいた
宮沢賢治『注文の多い料理店』(角川文庫)読了









たとえば「注文の多い料理店」なんかは
執筆日が1921年11月10日と添えられているから

実に104年前!


宮沢賢治って古びないから
近現代の作家と言いつつもなんとなく
そんなに昔の人ではないようなイメージだけど

もう100年以上前の作品になるのか










子供の心を持った大人の書いた
不思議な味わいのするお話たち

短編9編


ちょっと駆け足で読んでしまったけど
そのどれもが味わい深くて
もっとゆっくり読んでも良かったかもしれない(笑)






解説にも書いてあった気がするけど

やはり宮沢賢治の書く言葉には
多分に「詩」があるんだな


自然の描写ひとつひとつにも
詩的なイマジネーションを含んでいるし

それは実際山や草原など、自然の中に身を置いて直接
インスピレーションを得て掴んだものなのだろう


宮沢賢治も文中で時折使う「すきとおった」という形容詞

まさにそんな"清浄"な印象が全編通して感じられる作品だったし
賢治自身もそういう作家だったんだろうな






生前に世に出版(それも自費出版的な)された本は
この童話集『注文の多い料理店』と詩集『春と修羅』の2冊のみ

つまりそれ以外(「銀河鉄道の夜」含め)は
推敲・改稿の途上で、真の最終稿ではなかった可能性のものが多いようだ
(どの程度の完成度合いだったかばかりは作品ごとに本人に
 聞いてみなければわからないことだろうけど)


ちなみに、研究によると

執筆した順番は 『注文の多い料理店』→『春と修羅』 で
出版した順番は 『春と修羅』→『注文の多い料理店』

ということのようだ


『春と修羅』というのも機会があったら読んでみたい







本書後半の解説部分での
出版に至った経緯の話も興味深かったな


全12巻を目指すつもりでの発刊スタートだったこと

自費出版的な制作方法で完成させ、
地元の本屋さんに委託販売で、店頭では平積みで並んだりもしたけれど
ご存じのように当時は全然売れなかったこと

装丁もこだわっていて値段も高価だったこと









この文庫本
ルビの振り方が律儀過ぎてけっこうルビだらけ(笑)





今回読んでみても

童話集とは言え
やはり一般の子供向けとしてはちょっと難解なような気もする
(特に当時のちびっ子にはちょっと高尚過ぎるんじゃなないだろうか笑)

"学のある" と言っちゃなんだけど
それこそ海外の童話や小説を読めるような素養のある読者じゃないと
当時は厳しかったんじゃないだろうか?

特にみんなおまんまを食うために農作業・労働でいっぱいいっぱいだった時代には





宮沢賢治が亡くなったのは37歳

ジミヘンじゃないけれど
そのまま生きていたらどんな作品を生み出していたのか
読んでみたかったな

もちろん病気による命の最期の灯火が
さらに作品に輝きを与えたという面もあったのかもしれないけれど


イマジネーションの映像化という面でも
アニメーションとの相性も良さそうだから
もし現代にいたらそういう仕事も見てみたかったかも






以上、徒然なる所感でございました

そういや「注文の多い料理店」を読んだのは小学生の時以来だ(笑)
内容もなんとな~く覚えていた


Comments