大友克洋『MEMORIES』とエンタメ論







2026/3/19 Amazon Primeの無料期間が終わる前に鑑賞

先日の『迷宮物語』を観た流れのおすすめに出てきたので勢いで(笑)








1995年の大友克洋 製作総指揮・総監督の
オムニバス映画MEMORIES

『彼女の想いで』『最臭兵器』『大砲の街』

の3つの短編から成る作品


Amazon Prime上では5分割されてたけど
ひとまず『彼女の想いで』『大砲の街』のみ試聴

勢いで観た感じなのでコメントは軽く(笑)



『彼女の想いで』
ハードタッチな宇宙SFものといった感じで面白かった♪

1995年辺りだと多少CGも普及し出した頃なのかな?
SFとは相性がいいだろうから、部分部分で効果的に使われていい感じだった

映像も気合い入ってて良かった



『大砲の街』
すべてワンカット回しでシームレスに繋いだ意欲的な作品

もの凄い高い質の映像でアニメーションとしては凄いのだけれど
なんかドラマというよりも"設定"を見せられている感じはする(笑)

絵柄は独特なタッチで良かったけど




さて、、

ここからは、
私の妄想気味の拙い考えをご開陳といきますか(笑)


「その"設定" 面白いねえ!」と
「その"筋書き(ストーリー)" 面白いねえ!」は
似てるようでやっぱり根本的に違っていて

"設定"は面白いけど 映画としてはあんまり面白くない

みたいなのって、映画好きなら誰もが経験したことがあると思うんだ(笑)


2026/3/23のKATAKOTO でも書いたけど
やっぱり娯楽・エンタメの本質って"ジェットコースター"だと思っていて

どれだけ"ジェットコースター"の外観を装飾して
オリジナリティある世界観やテーマで盛り上げたとしても
"本筋のジェットコースター自体の面白さ"に欠ければ 満足感を得ることは難しい



映画において

"本筋のジェットコースター自体の面白さ" とは何か?と言えば

思うに

王道ではあるけれど やっぱりストーリーの「起承転結」の妙だったり
昔から変わらない人間の「普遍的な感情」を扱っていることだったり

ベタではあるが 結局はそういうところだと思う



人間の普遍的な"感動"の感情って
そんなにバリエーションが無限にあるわけじゃなく
ある程度のパターンに収まると思う

"泣ける~!"的なお涙頂戴ものにもある程度のパターンがあるだろうし
"めっちゃ怖い!"ホラーものだってある程度のパターンがあるだろうし

その"感動"にフォーカスさせるために
作り手側は 手を変え品を変え(笑)
色んな角度から色んな設定を持ってきてがんばって作る(笑)

そう、"設定"はあくまでその"心を揺さぶるところまで行き着く"ための設定であるべき



映画は 風景画や環境映像ではないから
やはりそこには必ず"人"が出てくるわけで

その"人"がどう動くか
どう振る舞うか


そこで どの時代でも変わらない「普遍的な感情」を「起承転結」で訴える
(もちろん変化球的なアレンジだったり裏切りはバンバンOK)

その時 観てる方の気持ちも動くだろう


なんてったって観てる方も"人"だからね(笑)

お客さんが猫だったら猫用の映画を作らないとノッてくれないし
アルマジロだったらアルマジロ用の映画を作らないと伝わらないだろうし(笑)




まあ、それは冗談として


「起承転結」つながりで言えば

かつて北野武監督が明かしてたように記憶しているけれど

確か、頭の中にまさにそういう「起承転結」の4コマ漫画的な筋書きが頭の中にあって
その核となるシーンにどう繋げていくかは現場での閃きやインスピレーションで決めて撮っていく

骨格しか事前に決めてないから現場次第で変幻自在にアイディアが変わっていくし
だから俳優も事前準備ができないし しかも基本一発撮りみたいで北野組はヤバいという話も聞くし(笑)
そんな緊張感たっぷりのシビア極まりない現場になるらしい(笑)



やはりエンターテイメントは
つき詰めると 究極的には「面白い」か「面白くない」かの世界

製作者側にとっては非常に酷なことではあるのだけれど(笑)

骨格自体は 4コマ漫画みたいに
「面白い」か「面白くない」かがハッキリしている

そのぐらいのシンプルさを本質に持っているのがエンターテイメントだ

そして、「面白い」か「面白くない」か
その中に時々「現時点ではどう評価していいかよく分からない」という
シュールだったり 雰囲気ものだったり
時代を先取りした先鋭的なのが混じってくる感じ




ものすごく意地悪な言い方をすれば(笑)
あくまで映画において絵や映像は「おまけ」という見方も出来ると思う
(もちろん自分はそんな見方で観ていないけれど)

もちろんその「おまけ」が目を見張るものであったり
映画自体の効果を高め、価値を上げ、概念を覆すものだったりもするのだけれど


絵や映像が伴わなければ面白くならないというのなら
小説や活字のジャンルがここまで隆盛を極めることはなかったはずだし

4コマ漫画レベルまで無駄をそぎ落として とは言わないまでも
核となるプロット・あらすじを数十行くらいでまとめた時に
全然面白くない・全然惹き込まれない・グッとこない
っていうのであれば制作をスタートしちゃダメな気もする(笑)

特に映画という 人と金と手間がめちゃくちゃかかり
みんなを結構巻き添えにしてしまう リスキーな表現形態においては



繰り返しになるが

ある種 骨格は4コマ漫画くらいのシンプルな筋書き
しかもそれが感動なり衝撃なりを呼び起こすのであればそれがいい

あくまで素人考えの理想論だけれど
逆にシンプルであればあるほどハードル上がって難しいのかな?

だから個人的には『レオン』みたいな
主要人物が3人くらいで成り立ってる映画なんか好きかも




で!


話は最初に戻って(笑)


シンプルではあるもののの
特に心に迫るようなドラマもなく
"設定"を見せられてるだけ、、みたいな印象を持ってしまった『大砲の街』

これ、

昔、『AKIRA』の面白さと創造力を期待して
同じく大友克洋監督の大作アニメ『スチームボーイ』(2004)を観た時の
ガッカリ感をちょっと思い出してしまった(笑)

正直あまり面白くなかった記憶があるんだよなあ~


もちろん画は凄いよ?

ただ、そこに何かカタルシスを得られるような
"感情や魂を揺さぶるような何か"はなかったと記憶している
(だいぶ昔に観たので、今観たら違う印象の可能性もなくはない)




" 絵が超上手ければ = すなわち作品として感動できる "

ってわけではないのが難しいところであり面白いところ


("感動"を目指さないのであれば、また話は変わってくるけど
やっぱり"作品を作る"って"誰かを感動させたい" "誰かの心を動かしたい"から作るわけで)




大友克洋監督どうこうではなくて

これ、結構深い話で



音楽でも当てはまると思うんだ


音楽好きで楽器をやったことある人なら思い当たると思うんだけど

素晴らしい演奏テクニックを持っていて何でも演奏できるような人が
素晴らしい曲を作れるかというと実はそうでもなくて

逆に演奏テクニック的には別にそこまでなのに
心を打つ名曲を生み出してしまう人もいる


演奏家と作曲家はまた別の才とでも言うか


これは絵画や漫画においても同じで
絵が上手けりゃすなわち胸を打つかっていうと
必ずしもそういうわけじゃないわけで

(胸を打ちまくる作品が描ける つの丸先生なんかいい例かもしれない 笑)



そう考えて行くと

鳥山明や宮崎駿がどれだけ図抜けているか

はっきり分かる


絵も最高の上手さを持っている上に

ストーリーが命!




映画や音楽に限らず

何気に表現者において

この2つ(追随を許さぬ"技術"と心を射止める"ハート"
を兼ね備えた人って

決して多くはないんじゃないだろうか?






"心の琴線に触れる"


それがやはり作品の目指すべきところという気もするし

どの時代でも変わらない "人間というもの" を描けばOKな気もする



そのためには

ある種 神のような冷徹な目線で

人間の普遍性を見抜き

それを表現し 作品に昇華する

そんな慧眼(けいがん)が必須となるのではあるまいか?






以上、スーパーど素人の戯言(たわごと)でございました♪(笑)


チャンチャン♪



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