田中一村展 奄美の光 魂の絵画 @上野 東京都美術館
~2024夏以降 更新サボっちゃってたのでプレイバックシリーズ その6~
(この記事は2024.11.13頃に投稿しようと思ってた記事です)
アンタ、これ凄いじゃないですか!!
と、思わず口調も水木先生のようになってしまうほど
素晴らしかったのです
2024/11/12(火)
田中一村展
奄美の光 魂の絵画
@上野 東京都美術館
NHKがかつて『日曜美術館』か何かで取り上げて
世に知れ渡るようになった画家
田中一村(たなかいっそん)
神童と言われるほど早熟凄腕の絵描きであり
Wikipediaの解説からコピペすると(笑)
田中 一村(たなか いっそん、1908年7月22日 - 1977年9月11日)は、日本画家である。栃木県栃木にて木彫家の父田中稲邨の長男として生まれ、東京市で育った、本名は田中孝。中央画壇とは一線を画し、1958年(昭和33年)千葉市での活動の後、50歳で奄美大島に単身移住。奄美の自然を愛し、亜熱帯の植物や鳥を鋭い観察と画力で力強くも繊細な花鳥画に描き、独特の世界を作り上げた。
奄美市名瀬有屋38番地3には、最後の10日間を過ごした家が、田中一村終焉の家として移設保存されている。
ということで、
俺が知ったのはたぶん
奄美大島の近くの島の生まれの母から聞いたのが最初で
母もNHKで見たのがきっかけだったのかな
でも、その前から名前は母の父から聞いていたっぽい
奄美の島々ではもしかしたら知る人ぞ知る存在ではあったのかもしれない
画材を買う費用を溜めるため
数年島の地元の染め物工場で働いては、数年画業に専念する
といった晩年のライフサイクルだったらしいから
1980年代ぐらいにはNHKをはじめ、
『南日本新聞』などで取り上げられたりしていた、とWikipediaにも書かれているな
で、俺もうっすら名前は把握していたのだけれど
先月11月くらいに実家に帰った際に
NHKで特集&展覧会告知をしているのを見て興味が湧き
これは凄そうだ、観とかねば! と観に行った次第
いやあ、想像を遥かに超えてとても良かったねえ
今回の展覧会のキャッチコピー
「不屈の情熱の軌跡」
にもあるように
素晴らしい才能を持っていながら
生前は世に知られることもなかった一村さん
当時の中央画壇とも距離を置いていたこともあり
生前の目標は「東京で個展をやること」だったそうだが
実際出来た個展は、亡くなった時に島の人々が開いてくれた
個展(小規模だったのかな?)だったみたい
その画風は試行錯誤の連続だったんだろうなと思われるほど
日本画に水墨画、、と多岐に渡るのだけれど
中学生頃でもうすでに大人顔負けの画力を手にしていて
それでも中央画壇に認められなかった、というのは
素人の私にはよくわからないところだけれど
(ああいう画壇って政治の力もありそうだし、、)
素人ながらに眺めた感想としては、やはり
「おお!奄美の地でついに本当のオリジナルにたどり着いたんだな ! ! 」
という思いだった
これはもしかしたら
上手ければ上手いほど
また、
(日本画や水墨画など)歴史や伝統のある画風・技法であればあるほど
そこで個性やオリジナリティを獲得するのは大変なことで
ご本人にももしかしたらそうした苦悩ってあったのかもしれない
(もちろんそこにたどり着くまでの作品も半端なく素晴らしいんだけれど)
そういったことを思わせるのが
最期の地、奄美で描いた作品たち
とりわけ代表作としても取り上げられることの多いであろう
「アダンの海辺」という、アダンという南国の果物を配した作品
これまた個人的な話ではあるが
母の田舎の生まれ育った家は目の前が白砂の浜辺で
同じようにアダンの木が植わっていたから
もしかしてそこの浜辺で描いたのかしら?
なんてことも、母は思っていたようだ
実際、一村さんは奄美大島を取り巻く島々も訪ねていたそうだから
可能性はゼロではないんだろうけれど
(実際今回、母の出身の島の地図(一村さん所持)も展示されていた)
どうやら浜辺の形などをよく見ると違う場所っぽい、という結論にはなったが(笑)
「アダンの海辺」をはじめ
この最晩年に渾身の力で描き上げたであろう作品たちは
どれも縦2~3mはあろうかという、大きなサイズで
非常に引き込まれるものだった
時にモダンにデフォルメされた雰囲気もあったり
どうやってこれ描いてるんだ?という細密なタッチもあったり
(「アダンの海辺」の"浜辺の砂"や"波"の描き方とか)
とにかく見応えたっぷりで、
開場直後の10時半くらいに入って
出てきたのが14時くらいだったから
3時間半くらいは観てたのか(笑)
物販コーナーが凄まじい充実度だったから
そこでも時間を使ったけれども(笑)
いやぁ~、何にせよ
観て良かったな♪
そのひと言に尽きる、素晴らしい作品たちでした
素人が言うのもおこがましいけど
最後に最高の作品にたどり着けたっていうのは
画家として、創作家として
最高の人生だったんじゃなかろうか
と!
奄美時代の作品には
檳榔樹(びんろうじゅ/シュロのこと)がよくモチーフに出てくるんだけれど
その流線の美しさを見て
あ! これは花火だ!
花火の美しさだ!
と思ったのが印象に残っているな
やっぱり
空想絵画ではない、
基本的に"現実のありもの"を描く画家さんの場合
何をモチーフにするか
って相当重要なんだろうな
そのインスピレーションを与えてくれたのが
一村さんにとっては、奄美の風景であったし奄美の動植物であった
ってことなんだろう
あと、個人的には
中盤に展示してあった
信州などの旅の際に描かれた、ちょっとしたスケッチ的小品
それが普通の"色紙"に描かれたシリーズで
(あのいわゆる"サイン色紙"的なヤツ)
ああ、色紙で絵描くのもありだな
と思った
(買うと決めて行って買った"図録"と
思わず買ってしまった"縦長の絵ハガキ"と"それ用の額縁"セット♪
この絵が「アダンの海辺」です)
今回の東京都美術館での展示はもう終了してしまったけど
あの物販コーナーでのグッズのバリエーションの凄まじさを見たら
運営側が"儲ける気マンマン"だったので(笑)(いや、それでいいんです♪)
きっと今後も各地で展覧会が催されると思うので
皆さん、観られる機会があったら是非足を運んでみてください♪
場合によっては、山下清画伯の展覧会ばりに
メジャーなイベントになりそうな気配もある(笑)
ゴッホじゃないけれど
"生前評価されなかった""けど凄い!"
というストーリーはキャッチ―で人を惹きつけるからね
あと、平日の朝イチで行ったのに(行ったから?)
めっちゃくちゃ混んでた!!(笑)
これもNHKの影響力の凄さなのか
シルバー料金の安さからなのか
お年を召した紳士貴婦人がいっぱい(笑)
特におばあさま方が大量でした(笑)
"アダン"だっちゅーのに
"あのパイナップルの絵良かったわねえ"
なんて声が物販コーナーで聞こえてきたり(笑)
今まで何を観てきたんだ!と(笑)
上野駅前のイチョウも黄色く色付いてきて
穏やかな秋晴れの、素晴らしい天気の中
お隣の上野動物園も開園から凄い人で
上野のいまだ衰えない人気ぶりを思い知らされました(笑)
そんなこんなで、とても充実した1日でした♪
(さっそく飾っている 笑)
― 何気にとっても充実していた"お出かけ" プレイバックシリーズはこれにて終了~♪ ―
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